徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 頭部外傷は軽症のものが大多数ですが、その頻度は多く、救急外来での対応に多くの手間が割かれています。一般の小児科医が頭部外傷を診察した時に、そのまま放置しても大丈夫か、厳重な経過観察下に置くか、緊急に検査や処置が必要であるかの判断を求められることがあります。

 小児の頭部外傷の中でも最も危険性が高い状態は、2歳以下、1分以上の意識障害がある、頻回に(5~6回以上)嘔吐を繰り返す、けいれんが見られる、受傷状況が不明である、原因に虐待が疑われる、血液凝固障害の既往がある、高エネルギー外傷による場合などが挙げられます。

 その症状としては意識レベルの低下が見られる、興奮しやすい、大泉門膨隆が見られる、陥没骨折や頭蓋底骨折などの頭蓋骨骨折が見られる場合には出来るだけ早期に頭部CT撮影を行う必要があり、速やかに脳外科医に紹介します。

 次に嘔吐が3~4回で、意識消失が1分以下であったが放置すると眠り込んでしまう、少しの刺激でも興奮しやすい、受診後に意識障害が進行しているもの、受傷機転が高エネルギー外傷であるものや高リスクな状況である場合、患者の容態に対して保護者の心配や不安が強い時、目撃者のいない外傷などは厳重な経過観察が必要とされます。

 危険性が低い場合としては低エネルギー外傷機転であり、意識消失もなく、受傷後の神経症状もない状態です。軽症頭部外傷では被曝を避けるためにCT撮影を行いませんが、少しでも気がかりな場合には経過観察とします。