開校10周年の記念すべき年に悲願の全国大会初出場を果たした。前身の徳島工時代から実に23年ぶりの全国切符に「2年連続で城東に決勝で敗れ、悔しい思いをした。『科技高の新たな歴史を刻む』との強い思いで戦った選手の頑張りに感謝している」と笑顔を浮かべる。
1歳上の兄を追って富田中からバレーボールを始めた。高校時代は常勝チーム・徳島商高のセッターとして1年から活躍した。順天堂大卒業後、教員として指導者の道へ。小松島西高女子の監督を皮切りに、4年前から徳島科技高を率いる。
城東の監督は国体県代表の実績を持つ妻の眞代さん。コートではしのぎを削る間柄だが、家庭では指導法などについて意見を交わすことも多い。「徳島のバレーボール界を盛り上げたいという気持ちは同じ」と話す。4日の決戦前夜には健闘を誓い合ったそうだが「もちろん、戦術は明かしませんよ」と笑う。一人娘の玲於奈さんも城南高のセンターとして全国大会に出場し、現在は母親の母校、日体大で活躍。文字通り「バレー一家」だ。
「選手一人一人がどうやればうまくなれるかを考えながら練習に取り組むことが一番大事だと考えている」。状況に応じた判断が求められるセッターの経験が、自主性を重んじる指導方針に生きている。「いかに力を出し切れるか。攻撃のバリエーションを増やして挑む」。全国1勝の厳しさを知る指揮官の表情が引き締まった。
徳島市南昭和町で眞代さんと2人暮らし。49歳。