「学校のトップとしてさまざまな決断を迫られる校長は孤独。同じ立場の人間が情報交換して学校運営のヒントを見つける手伝いができれば」。県内の高校と特別支援学校の校長40人でつくる組織のまとめ役を任され、気を引き締める。
18歳選挙権に対応した主権者教育、南海トラフ巨大地震を見据えた防災教育など、新たな課題が次々と生まれ、生徒や教員の負担はそれだけ重くなる。「ベースとなる授業時間を確保しつつ、新たな要素をどれだけ盛り込むか。コントロールする校長の役割は重要です」
阿南市生まれ。中学、高校とバスケットボール部に所属し、ボールを追い続けた。「いい先生に恵まれて学校が楽しかったから教員になることを自然と意識したのかな」。大阪大理学部で化学を専攻して教員免許を取り、卒業と同時に帰郷して教員となる。
異動で学校と県教委を行き来し、小松島西高校長、県教委教育次長を経て2013年度から城東高校長。現場と事務方、双方の立場を分かることが強みで「施策を巡って両者が対立するような場面でも、生徒にとって最適な結論を探って提案したい」。単なるパイプ役を務めるつもりはない。
運動とコミュニケーションを兼ねて毎朝校内を15分歩く。「生徒の顔を見て言葉を交わすと様子が分かるんです」。趣味は読書。好きになった作家の本を集中して読む。最近は池井戸潤さんの作品を10冊ほど続けて読破した。「最後に必ず正義が勝つからすっきりする。読みだしたら止まりません」。阿南市下大野町の自宅で父母、妻と4人暮らし。59歳。