種苗生産大手のタキイ種苗(京都市)は9日、同社が出資する農業法人Tファームいしい(石井町)で生産しているトマトが、機能性表示食品として消費者庁に受理されたと発表した。トマトに含まれる成分が血圧を下げる機能があると表示できるようになった。11月下旬から販売を始める。生鮮食品での機能性表示食品の受理は県内で初めて。
受理されたのは、タキイ種苗が開発した中玉トマト「フルティカ」で、商品名は「ひなとま GABAミディとまと」。同社によると、130グラム(3~5個)当たり、血圧降下の効能があるとされるアミノ酸の一種「GABA(ギャバ)」が20ミリグラム含まれている。
タキイ種苗、Tファームいしいは県、徳島大と情報通信技術を生かした次世代型農業の研究に関する協定を結び、石井町の県立農業大学校跡地に生産施設を整備している。
「ひなとま GABAミディとまと」は約10アールのハウスで水耕栽培し、1年を通した栽培データからGABAが安定して含まれていることが確認されたため、今年7月に消費者庁に申請。9月に受理された。同庁によると、機能性表示が認められた生鮮食品は11月7日時点で19件あり、トマトでは2例目。
価格は1パック(約180グラム)税別298円を想定。パッケージに「血圧が気になる方に」と表示し、京阪神に展開する食品スーパー「阪急オアシス」で販売する。
県はGABAの機能性を裏付ける科学的根拠を示すのに必要なデータ集めなどを支援した。県によると、県内業者による機能性表示食品は、加工食品では四国化工機の豆腐が2件ある。