徳島県内の国公立中学校長82人のまとめ役を任された。学力や体力の向上、いじめ、不登校への対応など、山積する課題に対し「学校の規模はそれぞれ違うが、徳島の子どものために協働して解決策を見いだしたい」と力を込める。
内閣府の2014年版「子ども・若者白書」によると、日本の若者は諸外国に比べ物事に取り組む意欲が低いという。「生徒が壁にぶつかった時、希望を見いだせれば意欲を保てる。希望は少し目線を変えれば見つかるもので、そこに導くのが教員の役目です」
6月には中四国1073校の校長が集う研究会が9年ぶりに徳島で開かれ、生徒の生きる力を育む教育法などについて3日間議論する。「3年がかりで準備を重ねてきた。教育の新しい潮流を徳島から発信できれば」と意欲を見せる。
阿波市土成町生まれ。阿波中学校長などを経て母校の土成中学校長に就任し、3年目になる。「今の自分があるのは、土成中バレーボール部時代の厳しくも思いやりに満ちた顧問の指導のおかげ」。恩師宅には今も毎年のようにあいさつに訪れる。
毎月1回開く全校集会では、伊能忠敬やラグビーの五郎丸歩選手ら古今東西の著名人の言行を紹介して希望や努力の大切さについて熱弁を振るう。生徒も熱心に聞いてくれるそうで「校長にとって唯一の”授業“だから楽しんでいます」。
趣味は釣りと、釣り上げた魚の料理で、どちらも小学生時代から続けている。「魚に合う仕掛けを考えるのが楽しい。作った料理を家族に喜んでもらえるのもうれしいです」。土成町の自宅で母、妻と3人暮らし。59歳。