消費者庁の徳島移転に何が必要なのか。21日、石破茂地方創生担当相に現状の課題と、移転推進の意義を聞いた。石破氏は「省庁の地方移転は国の大政策だ」と語り、実現への期待感を示した。

 -なぜ、省庁の地方移転が必要なのか。

 東京一極集中にはいくつか理由がある。省庁が全て集中しているのも一つ。民間企業に地方への本社機能移転を求めているが、省庁が全く動かずにいくら言っても説得力がない。

 省庁が東京でないといけない理由は何か。国会との調整や他省庁との調整があるからだと言う。それなら、国会との調整や危機管理対応部門は東京に残しておけばいい。他省庁との調整も飛行機や新幹線、通信網が発達しているし、朝から晩までそういうことをやっているわけではない。

 なぜ徳島か。徳島県としては、消費生活相談員の多さなど、先進的な消費者行政をやっているということを理由に挙げる。充実した高速通信網も有利だと言う。移転に反対する人はいる。実証実験で徳島の優位性が証明されれば、移さないという理由はない。

 -8月中に移転の結論を出すに当たり、何を判断材料として重視するのか。

 これから先、日本は世界人類が経験したことのない超高齢化社会を迎える。高齢者はどちらかというと、消費者として弱者の立場にある。徳島のように高齢化が進んでいるが故に、高齢者向けの消費者行政をリアルに実証できるメリットがある。

 消費者行政において一番大事なのは、信用をどう勝ち得ていくかということだ。実際に消費者に近い所で展開することが大切で、日本は徳島のような、いわゆる地方の消費地が圧倒的に多い。消費者、あるいは消費弱者的な高齢者の多い地方で展開することに意義があるのではないか。

 関西の台所と呼ばれ、1次産品の供給地でもある徳島で、きちんとした産品を消費者に届ける行政を構築していくことも、農林水産業を抱える地方にとって意義がある。

 こっちが100パーセント優位で、一方がゼロというのはあり得ない。何でもメリットとデメリットがある。国の大政策として省庁の地方移転がある。そのときに駄目だという理由ばかり挙げていたら何も前に進まない。メリットを最大限に上げ、デメリットを最小限にするということが必要だろう。そしてデメリットの部分は相当に、技術的に解決可能なものではないだろうか。それを実証していくための実験をする。

 -参院選後の内閣改造次第で、移転構想も立ち消えになるのではとの見方もあるが。

 仮に担当大臣が代わったとしても、政策が変わるような、やわな国策ではない。

 -地方分権改革にはどう取り組むのか。

 昨年は農地転用の権限を国から地方に移譲した。今年は地方版ハローワークがスタートする。地方からの提案型を変えるつもりはないが、国からも地方に移した方がいいのではという提案をする必要があるのではと考えている。

 -徳島に期待することは。

 国の機関が移転するので、基本的に費用は国が負担するが、徳島も協力してほしいというのはあるのではないか。職員の住環境の確保なども課題になる。

 消費者庁が来たら人が増えて、関連企業が来るのではみたいな話よりも、日本国中によりよい消費者行政を展開するんだ、その先頭を徳島は切るんだ、徳島が国を変えていくんだという意識に期待したい。その熱意が全てを決めるだろう。