徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 一般に溶連菌と言えば咽頭炎・扁桃炎の原因になるA群溶連菌を指しますが、溶連菌は化膿レンサ球菌の中の細菌のひとつで、ヒトにとって重要なのはA群およびB群です。中でも新生児から乳児期早期に重篤な感染症の原因になるのがB群レンサ球菌(GBS)です。

 GBSは新生児期の侵襲性感染症の原因細菌の代表とされます。GBSによる感染症はその発病時期によって早発型(日齢0~6)と遅発型(日齢7~89)に分けられます。早発型は妊婦の膣や肛門に存在するGBSに出産時、産道感染して敗血症、肺炎、髄膜炎などを起こすもので、胎内感染もあるとされます。

 遅発型の感染ルートは水平感染が多く、母乳を介し感染することもあります。遅発型感染症も髄膜炎や敗血症を起こしますが、尿路感染症や蜂窩織炎、化膿性関節炎も起こすことがあります。

 早発型の中で胎内感染の場合には肺炎や敗血症の合併症が多く、出生直後から多呼吸、チアノーゼ、呻吟など呼吸器症状が現れます。敗血症では呼吸器症状に加えて循環器症状や哺乳不良が見られ、髄膜炎では哺乳不良にけいれん、嘔吐、意識障害、呼吸循環不全などを示します。髄膜炎は早発型よりも遅発型の方に多いとされます。

 GBSによる侵襲性感染症は重篤なものが多く、治っても後遺症を残すこともあり注意すべき疾患です。肺炎球菌やb型インフルエンザ菌(Hib)にによる侵襲性感染症は予防接種の普及によって減少していますからGBSの重要性がさらに高くなっています。