創立30周年記念公演に向けて稽古に励む平成座の座員=徳島市川内町沖島

 徳島市の阿波人形浄瑠璃座「平成座」が18日、創立30周年記念公演を市内の川内町公民館で開く。座員の総力を結集して、人形浄瑠璃三大名作の一つ「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の段」を上演する。藤本宗子座長(59)は「30年間支援してくれた人たちへの感謝を込め、最高の演技を披露したい」と意気込んでいる。

 平成座は1989年1月21日に、阿波人形浄瑠璃の振興団体が開いた三味線・義太夫教室の受講生ら25人で結成した。現在は人形師を含む20~80代の三味線と太夫、人形遣いの男女20人が県内外で公演している。

 子ども対象の人形浄瑠璃クラブを設立したり、小中高校や大学などで出前授業を行ったりして後継者育成にも努めている。2013年には伝統芸能を継承する取り組みが評価され、日本ユネスコ協会連盟(東京)の「プロジェクト未来遺産」に登録された。

 記念公演で披露する「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の段」は、赤穂事件が題材。高師直(こうのもろなお)(吉良上野介(きらこうずけのすけ))の目を欺くため茶屋で遊興にふけっていた大星(おおぼし)由良之助(ゆらのすけ)(大石内蔵助(くらのすけ))が遊女のおかるに密書を盗み見られて口封じを図る場面が描かれる。座員の太夫や人形4体の遣い手、太棹(さお)・細棹の三味線奏者らが総出で演じる。

 公演は午後2時半から。無料。阿波十郎兵衛座(徳島市)、讃岐源之丞保存会(香川県三豊市)のほか、平成座が指導している平成座ジュニアクラブと川内北小人形浄瑠璃クラブも出演する。

 公演の前に式典を開き、30周年記念誌(非売品)を発表する。問い合わせは藤本座長<電088(665)0205>。