徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 小児の特徴は成長と発達があることです。成人を小型にしたのが小児ではありません。乳児期の成長・発達が順調であるかを定期的にチェックするのが乳児健診です。今月は乳児健診について考えてみました。

 新生児が乳児から幼児を経て成人に至るまで成長する過程で体重や身長が大きくなることを成長と言います。これに対して首の座りや寝返り、歩行など機能的な変化を発達と言います。成長と発達がともに適切に行われることが大切です。

 健診において体重や身長を測定することは重要ですが、身体測定だけでは健診の役割を果たしたとは言えません。月齢に応じた運動機能の発達程度をチェックします。乳児健診は児の正常な発達を十分に把握した小児科医の手によって行われることが求められます。

 正常発達には大きな個人差がありますからひとつの項目に異常があっても「発達に異常がある」との判断は慎重に行います。

 運動発達は粗大運動と微細運動に分けられます。全身の姿勢や移動運動は粗大運動で、手指の運動や協調運動は微細運動です。

 粗大運動の発達は首の座り、寝返り、お座り、はいはい、つかまり立ち、つたい歩き、ひとり立ち、ひとり歩きと続きます。首の座りは3~4か月、お座り7~8か月、つかまり立ち10か月、つたい歩き10~12か月、ひとり歩き14か月が発達の目安です。

 微細運動は、手を対象物に向かって伸ばす4~5か月、手を伸ばして物をつかむ5~6か月、おもちゃを持ちかえること6か月頃などで、徐々に上手に手を使うようになります。

 運動発達の評価は粗大運動と微細運動を合わせて行います。