徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 乳児の運動発達の目安は首の座りが3~4か月、お座り7~8か月、つかまり立ち10か月、つたい歩き10~12か月、ひとり歩き14か月ですが、健診の中で運動発達に遅れを認めた時には一度の診察だけで判断せずに経過観察をして慎重に判断します。

 乳児健診で最初にチェックする項目は首の座りです。昔から首の座りは生後100日3~4か月とされます。5か月を過ぎても首が座らない場合には遅れがあると考えます。首の座りとは後頭部を支えずに縦抱きにできる状態です。児の両手をもって上体を引き起こした時に頭と背筋が直線状に保持されることを確認します。座位で頭がグラグラしなければ首が座っていると判断します。

 運動発達の仕方には大きな変動幅があり、個人差もあります。ある項目に発達の遅れを認めた場合でも繰り返して診察して経過観察することによって異常の有無を判断します。もちろん明らかな麻痺や筋肉の緊張に著しい異常が認められる場合にはすみやかに専門医療機関に紹介します。

 運動発達については姿勢の異常、反射の異常、筋緊張の異常の有無をチェックします。さらに追視をしない、あやしても笑わない、ガラガラを持たせてもすぐに放してしまうなどの症状が見られる場合には知的障害の可能性も考え、厳重な経過観察とします。

 発達に遅れが疑われる時にはあらためて妊娠中、分娩時、新生児期に異常がなかったかを確認します。特に1500g未満の低出生体重児や新生児仮死、けいれん、哺乳不良、無呼吸、チアノーゼなどがあった児はハイリスク児と考え、発達の遅れの原因を検索する上で参考になります。