本県の高校では生徒の4割が文化系の部活動に励んでいる、と聞いてほっとした。やれ少子化だと慌てているものの、文化を支える芽は一定比率で育っている。ならば、大事な芽を成長させる豊かな肥料とでも形容できようか。近畿高校総合文化祭の徳島大会が開催中だ
2府8県の6500人が集う、10年ぶり3度目の徳島開催である。それにしても、開会式で本県の高校生たちが見せたパフォーマンスは圧巻だった。徳島文化の「四大モチーフ」を、歴史をひもときながら紹介した1時間半
藍を剣詩舞と書道で表現すれば、人形浄瑠璃はおなじみの「阿波鳴」でほろりとさせる。阿波踊りは戦後復興の象徴として乱舞。フィナーレは、舞台を埋めたオーケストラと合唱で「第九」を響かせた
現代舞踊グループを主宰する田村典子さんのモダンな演出も良し。住友紀人さんによる全編オリジナルの楽曲も良し。何より、みずみずしく躍動した20校の479人が素晴らしかった
異なる学校の生徒が合同で取り組むのは容易ではない。時間を調整しながら部分稽古を重ね、3度の全体練習で仕上げたという。「一つになれました」と生徒実行委員長の吉田浩成さん(徳島科学技術高2年)。やってのけた若い力に敬服する
大会日程は25日まで。若い芽の交流は、さらに有意義なものとなろう。