智弁学園を破って3回戦進出を決め、ガッツポーズする鳴門の河野=甲子園

 13日に甲子園球場で行われた第98回全国高校野球選手権大会第7日の第4試合で、鳴門は5-2で春夏連覇を狙った智弁学園(奈良)を逆転で下した。一回に2点をリードされながら、五回に1点差に詰め寄り、六回に矢竹の中前適時打で同点とした。九回2死満塁から鎌田が右前打を放ち、試合を決めた。エース河野は完投した。

 九回2死、鳴門のエース河野が投じた131球目。打球は力のない飛球となり、二塁手の鎌田がきっちりグラブに収めると、河野は両腕を高く突き上げて喜んだ。

 強打の智弁学園に対して、立ち上がりは力みが出た。一回、内野安打と四球で2死一、二塁のピンチを招き、連続で中前打を許して2失点。それでも「球は走っていた。ヒットも詰まったような当たり」と気にせず、気持ちを切り替えた。

 二回以降は最速145キロを計測した直球を見せ球に、ツーシームを低めに集めて凡打の山を築いた。四回から5イニングは無安打に抑え、許した安打は計5本。長打に気をつけ、「一人一人打ち取る」ことだけに集中した。

 七回終了時点で100球を超えていたが、疲れはなかった。九回2死二塁のピンチでは「ホームランを打たれても1点差」と開き直り、しっかり腕を振った。

 好投のエースを野手が堅守でもり立てた。遊撃手の日野は四回、左前に抜けそうな難しい当たりを捕球し、正確なスローイングで出塁を防いだ。

 左翼手の渡邊は大飛球を好捕し、中堅手の手束主将もライナー性の当たりを判断良く捕球。日野は「足がよく動いた」と話し、手束主将は「守備で流れを渡さなかったのが良かった」。我慢強く、鳴門らしい「守り勝つ野球」を貫き、終盤の勝ち越しにつなげた。

 いつもは自己採点が厳しい河野は珍しく「90点の出来」と自身を高く評価しつつ、「全員でつかんだ勝利」と強調した。3年ぶりの夏の2勝。「楽しんで野球をしよう」と無欲で臨んだ鳴門ナインがまた一つ、大きな壁を破った。