第98回全国高校野球選手権大会第1日の7日、開幕試合に登場した徳島県代表の鳴門は3-2で佐久長聖(長野)を振り切り、3年ぶりに夏の勝利をつかんだ。4番手束の大会第1号となる2点本塁打と2番鎌田の適時打で二回までに3点を奪い、左腕河野が粘りの投球で佐久長聖の反撃を2点にとどめた。
鳴門の河野は3度目の甲子園でようやく白星をつかんだ。1、2年時はいずれも先発したものの、打ち込まれて初戦敗退。148球の熱投で2失点完投した左腕は「この2年間は自分のせいで負けていた。最後はどうしても勝ちたかった」と白い歯をのぞかせた。
試合前日は「しっかり打たせていく」と話していた。立ち上がりは走者を背負っても直球で押し切った。四回1死満塁のピンチでは140キロ近くの直球で連続三振。「同点でもいい、と開き直って投げた」。9安打を許しながらもしっかり要所を締めた。
これまでは抑えようという気持ちが強すぎて力んでいたが、今年は仲間を信じ「一番楽な気持ちで投げられた」という。「四球を与えてしまったので70点」。自己評価は厳しいが、甲子園での初勝利に笑顔が光った。