借り手が減り、乗る人が減れば、地域経済を支える地方銀行も、地域の足を担うバスも立ち行かなくなるのは自明である
そこで再編を支援して生き残りを、と政府が腰を上げた。超低金利の長期化もあって、2017年度に本業が赤字だった地銀、第二地銀は過半数の54行で、赤字が2年以上続いているのは52行に及ぶ。バスも16年度で6割を超える157事業者が赤字だという
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、人口5千人未満の市区町村は、45年に全国で444に上り、15年時点の1・8倍にもなる。地銀とバスに限らず、地域と運命を共にするところは異口同音に将来を案じている
強い者、賢い者ではなく、変化できる者のみが生き残る。人口減少時代、変わらなければならないのは分かっているが、ではどう変わるのか。平成も終わりに差し掛かりながら、新時代を開く妙案はない
高く掲げた地方創生の旗をしっかりと振り続けていかなければならないとは思うのだが・・・。地方創生担当相と言えば、国税庁への口利き疑惑や政治資金収支報告書の相次ぐ訂正などの対応に追われてか、就任から1カ月余、肝心の創生に懸ける思いのようなものは聞こえてこない
先見の明を示してこその担当相ではないか。旗振り役がこの体たらくでは、当の地方はしらけるばかりだ。