徳島市が、市文化センター跡地に建設する新ホールの規模を「1500席程度」とする整備方針を決めた。

 当初計画より少ない1200席へと傾きかけていた市が、元々の1500席にしたことを支持したい。

 市が決定した整備方針はホールのほか、リハーサル室や活動室、会議室を配置するとした。

 設計費を含む建設工事費は79億8千万円を見込み、2023年度中の開館を目指すという。遠藤彰良市長が掲げた「100億円以内、23年度オープン」の目標数値に合致する形である。

 方針決定に先立つ有識者の検討会議で、市は1200席のホールに付随機能が異なる3案と、1500席の1案を提示した。会議最終日には、1200席以上とする案を加え、結果として検討会議は追加で示された案を求める意見でまとまっていた。

 1200席は、市民による音楽・舞台発表の場としての要望が強い。一方、1500席は人気アーティストのコンサートを招致する場合、採算面などから興行主が要求する最低ラインとされる。

 市幹部の間でも賛否が割れたが、最後は市長が「有名アーティストが来てくれるようなホールを」との思いで決断したようだ。

 徳島は適した会場がないとの理由から、コンサートツアーで敬遠されることが少なくない。古里の魅力不足と映るこうした現状を踏まえると、もっともな判断と言えよう。

 できる限り1500席を超える規模にしてもらいたい。市民の発表の場として利用しやすい工夫も求められる。

 計画を巡っては、1991年に構想が持ち上がって以来27年間にわたって「決められない」状態が続いている。

 市長が就任してからも候補地は新町西地区から徳島駅西側駐車場、文化センター跡へと二転三転した。見通しの甘さが批判され、新方針に対しても「どうせ実現しない」と冷ややかな見方がある。

 市長は真摯に受け止め、今後の工程に臨んでほしい。

 当初計画にあった300席の小ホール整備は、敷地面積の狭さを理由に見送られた。これには、文化団体の一部から反発の声も上がっている。

 市は、市中央公民館など周辺の既存施設を活用してもらう考えのようだが、県との連携も探るべきだ。

 文化センター跡の隣には、県立のとくぎんトモニプラザがある。3施設を一体的に捉えて工夫すれば、有効な解決策が見えてこよう。

 市は新たな計画案を市議会12月定例会で示し、パブリックコメント(意見公募)を経て、19年6月の基本計画策定を目指すという。

 早期完成が望まれるが、整備を急ぐあまり中途半端な施設になるようでは本末転倒だ。質の高いホールを造るという大前提を忘れず、多くの市民、県民が納得できるものにしてもらいたい。