14日のオープンに向け、お歳暮商品の陳列作業を進める従業員=徳島市のそごう徳島店

 徳島県内の百貨店や量販店でお歳暮商戦が本格化している。歳暮需要が減少する中、各店は高齢者や単身世帯の増加に合わせ、小分け包装の食品を充実させたり、自宅用の商品を企画したりと、知恵を絞る。宅配業界の人手不足を受け、12月に集中していた配送時期の前倒しを進める企業も出てきた。

 14日に「お歳暮ギフトセンター」を開設するそごう徳島店(徳島市)は、6階の約560平方メートルに1500点を並べる。今年は、ピーク時に比べて消費が半減したとされるコメの新しい楽しみ方を提案しようと、赤飯を包んだパンや米粒の食感を残したジェラートなどのオリジナル商品を取引先と共同開発した。

 毎年売り上げの1割程度を占める県産品は約150点を用意。宅配業者が送料を値上げしたことを受け、購入後に持ち帰れる商品を135点に倍増させる。13日には試食会を開き、買い物客らが新商品など6点を味わった。売れ筋は3千~5千円で、前年以上の売り上げを目標にしている。

 セブン&アイ・ホールディングスと業務提携したイズミが運営するゆめタウン徳島(藍住町)は、同グループの西武・そごうのデパ地下で人気の食品が選べるカタログギフトを新たに加えた。3日に特設コーナーを構えており、クリスマスや正月向けのスイーツセットを企画するなど自家需要の拡大も狙う。

 イオンは年末期の配送の集中を軽減させるため、届ける日を11月中に指定した人に抽選で賞品が当たるキャンペーンを始めた。10月下旬に専用コーナーを設けたイオンモール徳島(徳島市)の中核店舗・イオンスタイル徳島では、県産品などカタログに載っていない商品も店頭に並べ、キャンペーンへの応募も促している。

 フジ(松山市)は県内の4店で15日までに特設売り場をオープンする。取扱商品の平均単価は3千円。中四国6県の特産品や小分け包装の商品などを充実させ、前年比2%増の販売を目指す。

 県内スーパー大手のキョーエイ(徳島市)も大型・中型店約20店で1日から順次、特設売り場を開設。鳴門市のカキやオリジナルブランド牛・阿讃高原牛など地元の逸品を、生産者の名前入りで高付加価値品として用意する一方、調味料やコーヒーなどは2~5割引きとし、お得感を打ち出す。