スピーカーを組み合わせて制作され、世界に反響が広がっていた徳島県神山町下分の鳥居形のオブジェ「カラオケ鳥居」が、9月の台風21号の影響で倒壊したままとなっている。管理者のNPO法人グリーンバレーは、新たなオブジェの制作を目指して寄付金を募っており、年末までの目標額を200万円としている。
オブジェは高さ約4メートル。鳥居を支えていたワイヤ4本のうち2本が強風により外れて倒れ、音が出ていたスピーカーも地面の湿気で傷んだ。
グリーンバレーの関係者らが、倒壊した鳥居の写真をSNSなどで発信したところ、再建を望む声が多数寄せられた。そこで制作者のアメリカ人芸術家ベノワ・マーブリーさん(65)に再訪してもらおうと、旅費や滞在費、工事費を寄付で集めることにした。
オブジェの形状や設置場所については資金のめどが立った後、マーブリーさんと相談して決める。
オブジェは、2016年12月~17年1月に神山に滞在したマーブリーさんが設置。鳥居の見た目や実際に音が出る仕掛けがインターネットで話題となり、国内外から観光客が見物に来るなど人気を集めていた。
グリーンバレーの竹内和啓事務局長(51)は「要望の多さに驚き、芸術が人を引きつける力を実感した。再制作を人の呼び込みにつなげたい」と話している。
問い合わせは、グリーンバレー事務局<電088(676)1177>。寄付に関する情報はウェブサイト「イン神山」で確認できる。