徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 風疹は症状が軽く臨床診断では不確実例が多いことが知られています。罹ったと思っている人の中にも抗体価が低い人があります。今月は風疹について考えてみました。

 風疹ワクチンは、1歳児と就学前に麻疹・風疹混合ワクチンとして定期接種が行われます。風疹ワクチンは中学女子だけに接種していた時代があり、現在30歳代から50歳くらいの男性で風疹抗体価の低い世代があります。この世代の人たちは子育てや社会の中心で働く人たちで、海外に出かけて風疹に感染して職場や家庭に持ち込む可能性があります。

 麻疹と同じように風疹でも感受性のある人たちが増えれば流行が起こる危険性が高くなります。ワクチンを受けても長い年月を経ればその抗体価は減少します。

 風疹の潜伏期間は2~3週間です。症状は比較的軽く、発熱・発疹・頸部リンパ節腫大が3つの主な症状です。症状の出現の仕方には個人差があり、感染しても症状が明らかに出ない不顕性感染もあります。このような場合でも感染源になりますから注意が要ります。
ほとんどの風疹は自然に治る予後良好な疾患です。しかし中には紫斑病や脳炎のような重症疾患を合併することがあります。

 さらに妊娠中の女性が風疹に罹ると胎児に感染して先天性風疹症候群を発症することがあります。妊娠可能な女性が居る家庭では風疹に罹ったことがない人、ワクチンを接種したことがない人、ワクチンを接種していても長い年月が経った人は風疹に免疫がない可能性があります。抗体価を測定して、接種可能な家族がワクチンを接種して妊婦や胎児に風疹をうつさないことが大切です。