美馬市脇町出身の西村三十郎氏が1909年に大阪市で開いた眼鏡機器・工具製造会社の4代目社長。眼鏡の部品や修理用工具、レンズの洗浄器具など、眼鏡に関するあらゆる物品を全国の卸売業者や小売店へ販売している。「眼鏡業界は小さいけど、全国に1万数千軒ある眼鏡店でうちの商品がないところは皆無だと思う」と話す。

 徳島市で生まれ、高校卒業後は県内の生命保険会社で働いた。見合い結婚で嫁いだ先が今の会社の創業家だった。家事や育児の傍ら家業を手伝う中で、自然と仕事を覚えた。3代目社長の夫・季男(ときお)さん(69)が還暦を迎えるのを機に「後は任せた」と言って、後任を託された。

 「表に出るのは苦にならないし、頼れる社員もいる。プレッシャーを感じることなく務めています」

 社長になり力を入れたのは社内環境の改善だ。4千点にも及ぶ商品の保管場所を整理して作業効率を高めたほか、終業は定時の午後6時を徹底している。3年前からは社員の健康維持のため、昼食時に手作りスープを振る舞っている。

 約30人の社員は仲が良く、アットホームな雰囲気の中で仕事に取り組んでいる。「取引先などから『こんなに明るくて元気な会社はない』と言われることが私の自慢」

 業界の現状は厳しい。人口減少や店主の高齢化などで小売店の閉鎖が相次いでおり、経営は楽観視できないが「小売店の経営を助けるような新商品開発を進め、業界の発展に尽くしたい」と意気込む。

 古里をこよなく愛する季男さんに連れられ、2カ月に1回程度は帰省する。「少しでも時間が取れれば徳島に帰るのが、わが家のルール。帰省のたびに徳島の言葉に触れ、リフレッシュしています」と笑顔を浮かべた。

 にしむら・ふみこ 城東高卒。24歳で結婚し大阪に移る。サンニシムラは1990年、西村三十郎商店から現社名に変更した。2007年から社長。大阪眼鏡卸協同組合副理事も務める。大阪市在住、65歳。