1月に徳島市国府町の路上で車上荒らしをしようとした窃盗未遂、同市八万町の空き家から現金を盗んだ窃盗と邸宅侵入の三つの罪に問われた同市南前川町、無職の男(51)の判決公判が14日、徳島地裁であった。佐藤洋介裁判官は「犯人と認めるには合理的な疑いが残る」として窃盗未遂事件を無罪とし、窃盗と邸宅侵入の両罪で懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決理由で佐藤裁判官は、窃盗未遂の被害車両のドアノブ外側に男の指紋が付着していたことに言及。「犯人であると強く推認させる事実だが、別の日時に被告が触った可能性もあり、犯行時に付着したと立証されているとは言えない」と無罪の理由を述べた。

 車の周辺に小銭が散乱しているのを見て、逃げようとする男を問い詰めた被害者の供述も「男の特徴に関して曖昧で信用できない部分がある」と判断した。

 男は公判で「被害車両に触ったことはない」と主張していた。

 窃盗と邸宅侵入の罪については「ガラスを割って侵入した態様は悪質だが、被害額は3千円で多額とは言えない」と執行猶予を付けた。

 徳島地検の町田聡次席検事は「判決内容を精査し適切に対処したい」と話し、徳島県警の久次米昌弘刑事部長は「コメントする立場にない」とした。