国税庁への口利き疑惑に続き、相次ぐ政治資金収支報告書の訂正、顔写真と名前が大書された書籍の広告看板、カレンダーの無償配布・・・。

 片山さつき地方創生担当相を巡って、問題が次々と噴出している。

 口利きについては、疑惑を否定する一方で詳細を語っていない。他の問題でも、苦しい釈明に終始している。

 片山氏が担うのは、人口減少や過疎化に悩む地方を応援する仕事である。安倍晋三首相肝いりの「女性活躍」を推進する役割も負っている。

 このままでは、職責を果たすことはできまい。国民が納得できるよう丁寧に説明しなければならない。

 口利き疑惑は、先月発売の週刊文春が報じた。それによると、税務調査を受けた会社経営者が片山氏の私設秘書だった税理士に対応を依頼し、指定された口座に100万円を振り込んだ。その後、片山氏自身が国税庁関係者に電話をかけたという。

 片山氏は事実と異なるとし、損害賠償を求めて発行元の文芸春秋を提訴した。

 だが、「秘書として契約したことはない」と国会で語っていた税理士について、野党の追及に、秘書用の国会通行証の貸与を認めた。

 会社経営者とのやりとりとされる音声データに関しても「私の声かなという感じはする」と、答弁を修正した。

 疑惑は膨らんでいる。片山氏は「司法の場で明らかにする」として説明を避けているが、訴訟を盾に責任逃れすることは許されない。

 収支報告書の訂正は3回に及び、13日に公表した分だけでも記載漏れは計40件、540万円余に上る。資金の透明化は政治家の最低限の責務である。「反省している」だけでは済まされない。

 今後の動向によっては、国会での集中審議が必要となろう。第4次改造内閣で唯一の女性閣僚として存在感を評価した安倍首相は、説明を尽くすよう促すべきだ。

 資質が疑われる閣僚は、まだいる。その一人が、お粗末な国会答弁が目に付く桜田義孝五輪相である。

 東京五輪・パラリンピックの関連予算1500億円を「1500円」と述べ、立憲民主党の蓮舫参院幹事長の名前を「れんぽう」と言い間違えて失笑を買った。

 笑えないのは、「多様性と調和」など東京五輪・パラリンピックの三つのコンセプトを、すぐに答えられなかったことだ。担当相なら当然、頭に入れておくべき基本事項である。自覚に欠けると言うほかなかろう。

 事前の質問通告がなかったと言い訳した後、通告があったことが分かり、一転、謝罪に追い込まれた。

 安倍首相は先月の改造内閣発足時、「適材適所」と自賛し、「全員野球内閣だ」と強調した。今もそう胸を張れるのだろうか。自身の任命責任も問われていることを、忘れないでもらいたい。