ピアノやクラリネットなど他の楽器を乗り良くリードする演奏で注目される若手ジャズベーシスト。1940年代のスイングジャズを好み、「自然と体が動き出すようなリズムの気持ち良さをお客さんに届けたい」とほほ笑む。

 ウクレレやギターをたしなむ父の明さん(67)の影響で幼いころから楽器が身近にあった。徳島市立高校でオーケストラ部に入り、コントラバスの担当に。「少しやっていたギターとコントラバスはチューニングが共通していて、音程の取りにくい楽器だけど『これならいける』と思った」
 
 専修大でもオーケストラのサークルに入ったがあまりなじめず、知人の誘いもあって同大のジャズ研究会の門をたたいた。クラシックとはコードもリズムも異なるジャンルに戸惑ったが、先輩に薦められたCDを片っ端から聞き、初めて行ったライブでベーシスト中村健吾氏のパフォーマンスに衝撃を受けた。「一生懸命練習すると楽しい。うまくなりたいという欲も出てきた」。みるみる腕を上げ、3年時には仕事として演奏するようになった。

 即興の技術や芸術性が求められるジャズの世界だけに、毎日3時間の練習は手を抜かず、楽器を触っていない時間もいろいろな音楽を聴いてイメージを膨らませる。「即興はセンスや勉強したものがそのまま出る」と語り、自分を磨くことに余念がない。

 徳島に帰省するたびに店が減り、町がしぼんでいくような寂しさを感じている。「阿波踊り、人形浄瑠璃など徳島には誇れるものがたくさんあるのに、それが思ったほど知られていない」と情報発信力を課題に挙げる。徳島での町おこしイベントに参加した友人のミュージシャンに負けじと「僕の音楽で徳島を盛り上げることができる日が来るよう努力する」と力強く語った。

 たまき・まさる 徳島市出身。徳島市立高校2年時にオーケストラ部に入り、コントラバスの演奏を始める。専修大ではジャズ研究会に所属し、3年時からプロとしてのキャリアをスタートさせる。27歳から10年間、大型テーマパークのショーにも出演。現在は東京都内や横浜市などを中心に演奏活動を行っている。千葉県市川市在住。37歳。