華麗なフィールディングは、ホームの楽天Koboスタジアム宮城が人工芝から天然芝に変わっても健在だった。2年ぶり3度目のゴールデングラブ賞を獲得し、「守備を認めてもらえてほっとしている」と笑顔を見せた。

 プロ12年目の2016年は試練のシーズンだった。開幕直後の試合で守りの際に走者と交錯して肋骨を骨折。復帰までに約1カ月を要した。120試合に出場し、打率は2割6分5厘、打点46、本塁打はゼロ。打点以外は前年より下がったが、得点圏打率はパ・リーグトップの3割3分と勝負強さを発揮し、記憶に残る活躍を見せた。

 広島との交流戦ではプロ初のサヨナラ安打。古巣のDeNAとの一戦ではグラブトスで軽快に併殺を取った。「両方とも勝利につながったので最も思い出深いプレーかな」と振り返る。

 「昔から打撃より守備が好きだった」と話す。野球を始めた里浦小時代から遊撃手としてならした。鳴門二中、鳴門一高(現鳴門渦潮高)、近大でも内野手一筋。「体が大きくなく、ホームラン打者にもなれなかったから、守備だけは誰にも負けないつもりで頑張った」。12年に楽天に移籍後、レギュラーを勝ち取り、スター選手に成長した。

 2月に長男が生まれ、家族が増えた。「息子が物心つくまで現役を続けたい」と語り、40歳まではポジションを譲らない覚悟だ。鳴門市出身。仙台市で妻、5歳の長女、長男との4人暮らし。34歳。