開店を控え、スタッフ(右)に商品レイアウトのアドバイスをする「ラ・バルカ」関係者=徳島県藍住町矢上の久遠チョコレート徳島店

 徳島県藍住町矢上の障害者就労支援センター・ハーモニーは17日、障害者が手掛ける高級チョコレートブランド「久遠チョコレート」の徳島店をセンター近くにオープンする。付加価値の高い商品を製造販売し、障害者の働く場確保と収入アップを目指す。久遠チョコは一般社団法人ラ・バルカグループ(愛知県豊橋市)が全国展開しており、四国出店は初めて。
 
 ハーモニーを運営する社会福祉・医療法人の小規模多機能型ホーム(鉄筋コンクリート2階建て)を改装。1階に売り場とガラス張りの作業場、2階に休憩室を設けた。10~40代の知的、身体、精神障害者3人がスタッフ3、4人と一緒に製造と接客に当たる。

 主力商品はイチゴ、ユズ、抹茶など各地の食材を取り入れたテリーヌ(税抜き230円)で13種類を用意。他にチョコでコーティングしたドライフルーツ、アイスクリームなど100種類以上の高級チョコも並ぶ。今後、徳島店独自の商品も開発し、ラインナップを充実させる。

 焼き菓子製造を続けて四半世紀のハーモニーは2015年、日本財団(東京)が支援する障害者のショコラティエ育成プロジェクトに参加。ラ・バルカグループの指導で翌年から久遠チョコの製造を委託され、作業が軌道に乗ったため販売店の開設を準備してきた。

 ハーモニーの松下義雄施設長(53)は「2年間腕を磨き、クオリティーには自信がある。多くの人に来店してもらい、障害者の就労への理解も深まれば」と意気込んでいる。

 久遠チョコは著名ショコラティエ・野口和男さんの監修で、ラ・バルカグループが14年に立ち上げた。全国各地の社会福祉法人やNPOと連携して店舗網を拡大しており、徳島店の開店で20店に達する。