徳島県美馬市の農産物や加工品について説明する生産者(右)=10月26日、高松市の常磐町商店街

 高松市中心部の常磐町商店街に設けられている徳島県美馬市の農産物直売所が、開設から10年を迎えた。週1回、生鮮食品や加工品を販売しており、中でもキャベツやハクサイといった野菜は開店から数時間後に売り切れるほど人気が高いという。月平均の売り上げは約120万円と開設時の約2・4倍に増え、生産者はやりがいを感じている。
 
 直売所は、高松市での観光キャンペーンをきっかけに、常磐町商店街振興組合が2008年に美馬市に開設を依頼。市は13団体の生産者ら約50人でつくる運営組織「美馬のええもん推進協議会」を発足させ、商店街に出店した。

 現在は原則として毎週金曜に農産物や加工品を販売。午前9時半の開店と同時に大勢の客が訪れ、多くの商品は昼すぎに売り切れるという。

 生産者6、7人が直売所で商品の説明をしており、高松市木太町の小河靖子さん(73)は「人柄がよく、親しみやすい。安心して購入できる」。商店街振興組合の野沢道雄代表理事(66)は「近くの住民や飲食店が頻繁に利用している。長く続けてもらえればうれしい」と言う。

 ええもん推進協議会の池本茂続会長(80)=美馬市脇町西大谷=は「これからも安全でおいしい商品を提供し続けたい」と意気込んでいる。

 直売所では23日に記念イベントがあり、そば米雑炊を振る舞ったり、一定額以上の購入者に生鮮食品が当たる抽選会を行ったりする。