官庁や政府出資法人の無駄遣いは、一向に改まらないようだ。公務員らの意識改革を徹底し、無駄遣いを根絶しなければならない。

 会計検査院の2017年度決算検査報告からは、国の財産や負担金を巡る官庁などのずさんな管理の実態が浮かび上がる。

 検査院が税金の無駄遣いを指摘したり、制度の改善を求めたりしたのは1156億9880万円で、2年ぶりに1千億円を上回った。件数は前年度より49件減の374件となり、過去10年では最も少なかった。

 2020年東京五輪・パラリンピック関連の検査結果によると、国の支出額を直近の5年間で約8011億円と算出している。

 検査院が精査を求めたのに対し、国は先月、5年間で支出した直接関連する事業費を約1725億円と発表した。

 しかし、費用は今後も増える見通しだ。厳に慎まなければならないのは、五輪・パラリンピックという国家的プロジェクトに便乗し、省庁が関連の薄いものまで盛り込んだ予算を要求することである。

 官庁などで、指摘額が最も多かったのは防衛省で639億円に上る。次いで、危機対応融資を巡って不正を行っていた政府系金融機関の商工中金が151億円、農林水産省が117億円だった。

 防衛省では、陸上自衛隊が戦車や火器の修理費を算定する際、計約3億2千万円相当の部品を、まだ使える状態なのに「使用不能」と判定していた。財務省に提出する保有物品の報告書で計616億円の計上漏れがあったことも指摘した。

 安倍政権下で、防衛費は膨らむ一方である。防衛省が厳正に備品を管理しなければ、負担を求められる国民は納得しないだろう。

 徳島県内では、国民健康保険を巡り、美馬、板野、勝浦の3市町が計678万円の交付金や負担金を国から過大に受給していたと指摘された。

 美馬、板野両市町は、財政調整交付金の申請で事務処理の誤りがあった。

 勝浦町は、国庫負担の対象となる医療給付費の請求で数字を誤り、国から負担金107万円を余分に受給した。

 那賀町でも、光ケーブルの架設工事で落雷対策の不備があり、総務省の交付金467万円の支出が不適切だったと指摘された。施工業者が図面通りに施工せず、町も検査で見落としていた。

 自治体は、もっと緊張感を持って、行政事務や工事の検査に当たってもらいたい。国の負担金をおろそかにすることは許されない。

 国と地方の借金残高は1千兆円を超えている。財政再建は喫緊の課題であり、国と地方自治体が危機感を共有することが大切だ。

 検査院が指摘したのは、氷山の一角であろう。官庁や自治体は率先して、無駄やミスをなくす体制づくりを急ぐ必要がある。