三好市の黒川征一市長が、市の広報紙「市報みよし」11月号に掲載した「市長コラム」に、共産党機関紙「しんぶん赤旗」の記事を盗用していた問題で、過去のコラム2本でも赤旗や日本経済新聞の記事と酷似した部分があることが17日、分かった。市長は「記憶が定かでない。考えが一致していて、無意識に使ったのかもしれない」としている。
酷似しているのは、市報みよしの5月号と7月号の市長コラム。
5月号は、「平和に勝るものなし」と題したコラムで、朝鮮半島の完全な非核化をうたった「板門店宣言」を論じている。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領に関する記述が4段落中3段落にわたり、4月29日付の赤旗のコラム「潮流」とほぼ同じだった。
7月号は、6月の大阪北部地震や2016年4月の熊本地震を取り上げている。大阪北部地震について「浮き彫りになったライフラインのもろさを教訓にして、日頃の備えを考えなければ」、熊本地震については「14日が前震、16日が本震とされ、後の方の被害が大きかった。こんな事実さえも、忘れつつあるのでは」などの表現が、6月19日付の日経新聞のコラム「春秋」と酷似していた。
市長は「赤旗と日経新聞は自宅で講読しており、引用の認識はなかった。配慮が足りず軽率だった」と釈明した。市報みよし12月号におわびを掲載し、市長コラムを取りやめることを検討している。
市長は16日、市報みよし11月号の市長コラムに、10月21日付の赤旗のコラムを盗用したことを認めていた。市長コラムは15年8月号から毎月掲載している。