「ボールを前へ、ゴールへ運べ」。J2徳島ヴォルティスの高知1次キャンプ第3日は24日、春野総合運動公園球技場で行われ、チームの目指す攻撃的なサッカーのベースとなる「切り替えの速さ」を意識したボールトレーニングに励んだ。疲労が蓄積しつつある中、選手はスピーディーなパスワークを体に染み込ませようと懸命にボールを追った。
練習が始まった午前9時半の気温は約1度。寒風が吹き付けるピッチに集まった選手に長島監督は「疲れもあるだろうが、しっかりと声を出していこう」と熱く呼び掛けた。
1次キャンプも3日目を迎え、走り込みと筋力トレーニングを繰り返す選手の筋肉はぱんぱんに張っている。その状態でいかに速く、正確にボールをコントロールできるか。「動き出しのタイミングを大切に」「前を向いた瞬間にスペースに入れろ」。長島監督から指示が飛ぶ。ボールの出し手と受け手がしっかりと声を掛け合いながら、タイミング良くつないでいく。DF内田は「(キャンプで)素早い切り替えを意識付けることが攻撃のバリエーションを増やすことにつながる。攻撃的なサッカーをするためにも、もっともっと走る」と貪欲だ。
昨季42試合の総得点はリーグワースト4位の35点と不振を極めた。得点力不足を克服するためには、相手の守備が整う前に素早く攻め込むことが求められる。米田ヘッドコーチは「スピード感や声出しなど、監督が求めたいことが徐々に選手に伝わっている」と話す。
少しでも早くチームに溶け込もうと元気良くプレーしている新加入のFW山崎は「自分のプレーを分かってもらえるよう積極的に声を出している。楽しんでできている」。ハードなメニューが続くが、ここまで離脱者はなし。チーム一丸となってキャンプは順調に進んでいる。