佐那河内村が、ふるさと納税の返礼品として、7月から10月にかけ、寄付額の50%に当たる旅行券やクオカードなどを贈っていたことが18日、分かった。2018年度上半期(4~9月)の寄付額は3億2821万円(6224件)に急増し、過去最多だった17年度1年間の約3・6倍になっている。県が「返礼品の中に金銭類似性が高いものがある」と見直しを求め、村は品目から除外するなどしていた。
自治体間の返礼品競争が過熱する中、総務省は、返礼品を寄付額の30%以下の地場産品に限るよう要請。ところが村は、上半期の寄付額のうち約2億円を返礼率の高い旅行券などで集めていた。
上半期に最も多い7601万円の寄付を集めたのは、返礼率50%の旅行券「さなごうち村に行こう!」。寄付額は3~10万円から選べ、例えば3万円を寄付すると1万5千円分の旅行券がもらえる仕組みだった。
次いで寄付額が多かったのは返礼率29%のクオカード、3位は50%のクオカードで、計1億1857万円を集めた。いずれも「さなごうち村有史1000年記念クオカード」=写真(村提供)=と名付け、返礼率29%のカードなら3万4千円の寄付で1万円分のカードを贈っていた。
このほか、返礼率約35%のタブレット端末も返礼品に加え、3976万円の寄付を集めていた。
ふるさと納税を担当している村企画政策課は「旅行券やクオカードは村の催しや事業と関連を持たせており、村を応援してもらいたい一心だった」としている。
<メモ>ふるさと納税を巡っては、高額家電製品やギフトカードなどの返礼品で寄付を集める自治体が相次ぎ、総務省は昨年4月以降、寄付額の30%以下にすることや地場産品にすることを自治体に求めている。それでも返礼品競争は収まらず、同省は今年9月、通知を守らない自治体は制度の対象外とする地方税法の改正を、来春にも行う方針を示している。