「自分の色を出して、開幕スタメンを狙う」。U-23(23歳以下)アジア選手権で優勝し、リオデジャネイロ五輪切符を獲得した日本代表のGK杉本大地(22)が4日、J2徳島ヴォルティスの宮崎2次キャンプに合流した。今季J2京都から徳島に期限付き移籍し、J1昇格への貢献を誓う若武者は、初練習から精力的にボールに食らい付いた。
1月31日に帰国した杉本は2月1日に徳島入り。メディカルチェックなどの後、その日のうちに京都に戻り、3日夜に空路で宮崎に入った。アジア選手権の舞台となったカタール・ドーハとの時差は6時間。時差ぼけや移動の疲れで体に重さが残る中、早朝の散歩前にチームメートと対面し、練習に加わった。
宮崎市の県総合運動公園ラグビー場でのキャンプは3日目。杉本は午前に行われた8対8のミニゲームで早速、存在感を発揮した。「前に出ろ」。大きな声でフィールドプレーヤーに指示を出す。他の選手は5日の練習試合に備えて練習を午前で切り上げたが、杉本は午後もシュートストップなどに励んだ。中河GKコーチは「初日から積極的に声を出し、シュートへ鋭い反応を見せるなど持ち味を発揮している」と評価する。
アジア選手権ではサウジアラビア戦1試合に出場。チームは2-1で勝った。ただ、杉本は「もう少し試合に出たかった。優勝できてうれしい半面、個人的には悔しさも残った」と貴重な経験を振り返り、五輪本番への意欲を口にする。
徳島では昨季リーグ戦37試合に出た長谷川徹、プロ17年目の相澤らとのレギュラー争いを制して出場経験を積み、勝利を支えるつもりだ。髪の毛の色を茶から黒に戻し、短く刈り込んで宮崎に乗り込んだのは「見た目ではなく落ち着きのあるプレーでアピールする」との決意の表れ。「徳島で結果を出すことを最優先に考える。その先に五輪出場も見えてくる」と新天地での飛躍を誓った。