J2徳島ヴォルティスは5日、宮崎市の県総合運動公園ラグビー場で地元の宮崎産業経営大と2次キャンプ初の練習試合(45分4本)を行った。切り替えが素早く、攻撃にスピード感が出てきた一方、2本目と4本目の終盤に運動量が落ちて計2失点。90分を走り切るゲーム体力の面で課題が残った。
徳島は1本目の立ち上がりに相手に押し込まれる場面があったが、徐々に落ち着きを取り戻すと前線にボールを集めた。4分、DF井筒のクリアボールを受けたFW渡の反転シュートで先制すると、3本目ではFW山崎がハットトリックを完成させるなど計11点を奪った。
徳島のシステムは4-4-2。一方の宮崎産業経営大は3-4-3。昨季、同じシステムを敷く相手には強く、異なる相手には苦戦を強いられた徳島にとっては格好の腕試しとなった。
システムが同じだと、一人一人が対面する相手に競り負けないことをまずは心掛ければいいが、システムが異なると素早く横にずれてカバーしたり、マークを受け渡したりする必要がある。前に速いサッカーを貫く中で、横の動きも判断良く滑らかに連動できるかは今季の課題だ。
徳島は積極的にプレスをかけ、主導権を譲らない。奪ったら素早く縦パスを入れ、サイドチェンジも織り交ぜながら、大学生を圧倒。守っても声を掛け合ってカバーするなど攻守にピッチの縦横を意識した動きがあった。
ところが、1、2本目も3、4本目も70分すぎから足が止まり始め、判断、技術にミスが出た。MF大崎は2得点しながらも「90分戦える体にしなければ同じリーグの相手には通用しない」。1得点のFW長谷川悠も「まだまだ詰めていかなければいけない部分がある」と表情を引き締める。
長島監督は「基礎体力のさらなる強化はもちろん必要」と苦言を呈した上で「攻撃面では基本的な部分を変えることはない」。日々の積み重ねに手応えも感じた様子だった。