サッカーJ2の徳島ヴォルティスにとっては苦しい一年だった。

 主力選手がシーズン途中に相次いで移籍し、けが人も続出。白星を重ねて好調かと思えば突然勝てなくなり、戦力が安定しなかった。

 通算成績は16勝8分け18敗の11位。昨季の7位から四つ順位を下げた。一時は昇格を懸けて3~6位が争うプレーオフ(PO)圏の6位にいただけに残念だ。

 ただ、新たな選手を加えてチームづくりを何度もやり直さなければならなかったことを考えると、やむを得ない結果とも言える。

 昨季は最終戦で敗れてPO進出を逃し、今季掲げたテーマは「巻土(けんど)重来」。2年目のロドリゲス監督らは巻き返しを誓ってスタートした。

 主力選手が抜けた穴を新たに獲得した選手で埋め、攻撃的なサッカーを進化させるはずだった。しかし、開幕後も主力選手の移動やけがが相次ぎ、前半戦の21試合は7勝4分け10敗の20得点。2点以上取ったのは4試合にとどまり得点力不足は明らかだった。

 一年を通じて安定して戦える陣容をどう整えるか。難しい課題を突きつけられた。

 チームは元ナイジェリア代表のウタカ選手とスペイン人FWのバラル選手を獲得。7月に2人が加入してからは攻撃力が劇的に高まった。

 後半戦の22節から34節までの13試合の総得点は27点に上り、負けたのは2試合のみ。順位を着実に上げ、PO進出への期待は膨らんだ。

 主力が欠けた穴を素早く埋め、戦える形を整えた点は高く評価できる。多くのファンが快進撃を夢見たが、好調は続かず36節から6連敗。39節でPO進出が消えた。

 勝てなくなった原因についてロドリゲス監督は「説明は難しい」と言う一方、戦い方を変えたことに言及した。

 徳島は強力FWの加入後、つなぐサッカーにこだわらず、カウンターを多用した。初めは機能したものの両FWが研究され、マークがきつくなると得点機は減少。単調な攻撃は通用しなくなった。

 徳島らしい攻めが戻ったのは、11日に鳴門市で行われたホーム最終戦。得点こそなかったが、最終ラインから中盤、前線へと流れるようにパスがつながり、相手守備を崩すシーンは見応えがあった。

 来季は課題をしっかり分析し、ぶれずに戦ってほしい。

 もどかしいシーズンの中で見どころもあった。阿波市出身の小西雄大選手がJリーグ初ゴールを含む3得点で存在感を示した。阿南市出身の表原玄太選手も8月に加入。重要な戦力として躍動した若い2人の今後が楽しみである。

 今季ホーム戦の1試合平均入場者は4997人と、昨季を18人上回った。さらに多くの人を呼び込むには、やはり勝利が必要になる。

 磨いてきた攻撃サッカーを昇華させ、次こそJ1復帰という形でファンの期待に応えてもらいたい。