記者会見でコラム盗用について謝罪する黒川市長=徳島県三好市役所

 徳島県三好市の黒川征一市長が市の広報紙「市報みよし」11月号に掲載した「市長コラム」に共産党機関紙「しんぶん赤旗」1面のコラムを盗用した問題で、黒川市長は19日、市役所で記者会見し「配慮に欠けた行為で市民をはじめ多くの関係者に迷惑をかけた」と改めて謝罪した。自身の処分は「副市長らと相談して決めたい」と明言しなかった。

 会見で経緯を説明した黒川市長は「日頃からいろいろな新聞や雑誌の情報を受け止めて自分の考えを構築している。11月号は、机のどこかに置いていたもの(赤旗)を見て書いたと思う」とし「引用であり、盗用ではない」と主張した。

 報道陣は、出典を示さず文章を無断使用している点を踏まえ「それを盗用というのでは」と指摘。黒川市長は「引用だ」と繰り返し「学術論文などと違う短いコラムでも引用元を示さないといけないという認識がなかった。配慮が足りなかった」と釈明した。

 コラムを続けるかどうかは「熟慮している」と述べ、結論は示さなかった。広報紙の12月号におわびを掲載し、12月定例会議の開会日にケーブルテレビを通して市民に説明と謝罪を行う。

 黒川市長のコラムは11月号のほか、5月号でもしんぶん赤旗、7月号は日本経済新聞のコラムと大部分の表現が酷似していたことが明らかになっている。