徳島市立木工会館で開催中の衣料品関連の企画展に、市から横やりが入ったという。木工、藍染、しじら織以外の事業は「会館の目的外使用に当たる」らしい。会館を運営する地場産業振興協会に、文書で「不承諾」を通告した

 問題となった企画は、西新町の縫製業者の製品を集めた「農作業着ファッションショー&衣料品まつり」(来月2日まで)。再開発事業の白紙撤回以来、市との関係がぎくしゃくしている新町西地区の支援をうたう

 西新町とくれば、ははんとなる。「市長の意向かいな」。協会も否定する見立てではあるが、江戸の敵を長崎で討つような話と解釈した方が、市の説明よりよほどしっくりくる

 協会によると、昨年度の企画展は103回を数え、3万5千人が来館した。映画ポスター展や戦争展といった「目的外使用」も再々ある。公序良俗に反する企画は論外として、前記3品のショールームでもある会館への人集めに、ある程度の許容範囲を認めて、何の不都合があろう

 3品に限るとした会館の設置条例を、しゃくし定規に適用すればどうなるか。市が運営していた2005年度の企画展は3回、来館者1100人。歴然としている

 会館での売り上げを期待している地元業者がいる。閑古鳥を鳴かしてやれ、というのでもあるまい。市は会館をどうしたいのか。