「高い耐久性があり、水中でも強い。繊維が柔らかく、トゲやササクレが出来る心配が少ない」。木材一筋の人生で巡り合ったのが、高い耐久性を持つ南米産のグリーンハートだった。

 東京都町田市の藍工業本社工場には、耐久性に優れた板材が積まれている。設計からカット、現地での施工まで自社で行うのが強みだという。

 主力のグリーンハートはクスノキ科の広葉樹で、オランダの運河の閘門(水量調整用の堰)や木船の側板に使われてきた。

 南米で仕入れルートを開拓したが「当初は、ろくでもない木材が届くなど苦労続き。現地で取引するなら5、6年は必要だ」と振り返る。

 今では耐久性が認知され、山梨県の山中湖畔の自転車道や東京都の東品川海上公園のボードウオーク、県内では鳴門市の撫養川親水公園の桟橋など、幅広く手掛けている。

 「グリーンハートなどは強く、薬剤を注入する必要がない。最後は土に返る環境に優しい木材だ」と強調する。

 大学卒業後、造園土木の会社を経て、次兄の経営する木材販売会社で修業し、30歳で独立した。「零細の一番の強みは、設計から手間、暇をかけて仕事をすること」と話し「米国の木材商社に、大量の商用レターを出し続けたことが、駐日米国大使館に認められ、木材の輸入につながったこともある」と感慨深げだ。

 社名に出身地の「藍」の一字を入れるほど古里への思いは強い。中学の同窓会などでよく帰省するが、郊外に店が増えたなと感じている。

 「神山町のサテライトオフィス(SO)や上勝町の葉っぱビジネスは、ニュースなどで見ている」と話す。

 南米などで木材を探し歩いた経験から「人に薦められるのは、自分が足を運び、その”味“を知っているから。人まねでなく、自分が興味を持って行動することが大事だ」と力を込めた。

 

 みやもと・としお 石井町藍畑出身。石井中、名西高から日本大農獣医学部林学科卒。1982年、東京都町田市に宮本木材工業を設立し、84年に現社名に変更した。町田市在住。67歳。