圧倒的な個の力でチームに勢いをもたらしたウタカ(右)とバラル(左)だったが、終盤戦は本領を発揮できなかった=9月22日、町田市立陸上競技場

 サッカーJ2の徳島ヴォルティスの2018年シーズンは、16勝8分け18敗の勝ち点56で11位だった。黒星が白星を上回るのは2年ぶりで、2桁順位は3年ぶり。守備力は改善を見せたが得点力不足に苦しみ、J1復帰は果たせなかった。大胆な戦術変更や強力な外国人FWの投入で夏場以降挽回したが、終盤で息切れ。昇格実現には攻撃面でまだ多くの課題があることを突き付けられた。

 徳島がシーズン前から取り組んできた守備の強化は一定の成果を挙げた。今季は相手の2トップに対し数的優位を保つ3バックを採用。要となるCB大﨑の移籍もあったが、GK梶川の正位置定着に伴う守備陣との連係向上で総失点数は昨年より3減らした。

 それでも黒星は昨年より7も増えた。最大の要因は得点力不足。「1点を取られたら2点を奪いにいく」(ロドリゲス監督)という攻撃サッカーが今年は影を潜めた。

 

 昨年23得点を挙げた渡がオフに広島へ移籍。同14得点の山﨑が1トップになることを見越し、チームは2列目以降の選手の得点増に期待した。

 指揮官のもくろみ通り、結果を出した選手はいた。昨年7得点の島屋(現・鳥栖)は在籍中に8得点。MF前川、小西、岩尾はいずれも昨年のゴール数を上回った。前川は「(渡が)いなくなったから、と言われないように」と、強い得点意識を見せていた。

 半面、杉本太はけがの影響で出場機会を減らし1得点にとどまった。頼みの島屋も8月に移籍。サイドでは内田裕、表原の各1得点のみで、オフに広島へ移籍した馬渡(4得点)の穴は埋められなかった。

 決定力不足解消へチームは16年のJ1得点王ウタカとスペインで実績のあるバラル両FWを獲得。最前線が活性化すると1試合4得点、ホーム8連勝など次々と記録を打ち立て、順位も前半戦折り返しの15位から一時8位まで上昇した。

 だが、圧倒的な個の力で得点を量産する2人に頼りすぎた。ウタカにチャンスボールが渡っても一緒に走りだす選手はわずか、というシーンが連勝中のホーム戦でもたびたびあった。イレブンの攻撃参加への意識の低下は明らかだった。

 プレスとつなぐサッカーにたけた選手がそろう中、「引いて守る」戦術変更が十分適合しなかった。積極的なプレスを主体とする戦術に戻したが10月以降は6連敗。新潟戦では一定の成果も見せたが、ゴールは最後まで遠かった。

 主力の移籍やけがの影響、戦術変更・・・。多くの要因が絡んだ今季の不振。松本との今季最終戦を終えた岩尾主将は「次に進むには、何がいけなかったのかをしっかり分析しないと」と指摘する。原因を真摯(しんし)に見つめ直し、来年に生かさなければいけない。