高画質の4Kや8K、仮想現実(VR)の映像作品に特化した「4K・VR徳島映画祭」(とくしま4Kフォーラム実行委主催)が22日、神山町の広野小学校で開幕する。24日までの期間中、66作品を上映するほか、音楽ライブやセミナーがある。一方、県は徳島を舞台にした短編映画の制作を計画しており、来年3月に徳島市で開かれる徳島国際映画祭で上映する。徳島の魅力発信、地域おこしにつながる映像発信が続きそうだ。

4K・VR徳島映画祭で上映される「ウルトラマンゼロVR」(県提供)

22日から徳島映画祭 神山

 4K・VR徳島映画祭は、広野小の旧体育館や旧校舎の教室など4会場に、大型スクリーンやモニターを設置。伝統文化や自然風景を題材にしたドキュメンタリー、「ウルトラマン」のVR作品など、全国から応募があった110作品のうち、審査で選ばれた上位20作品などを上映する。

 音楽ライブには徳島市の中学生シンガー丸山純奈さんらが出演する。映像業界で活躍するクリエーターらによるセミナーでは、リオデジャネイロ五輪閉会式で映像演出を手掛けたライゾマティクス(東京)の真鍋大度取締役が「位置情報とスケールから考えるAR(拡張現実)、VRの未来」と題して講演する。

 同映画祭は2015年に始まり、4回目。22、23両日は午前10時から午後5時まで、24日は午前10時から午後4時まで。入場無料。問い合わせはとくしま4Kフォーラム実行委員会のえんがわ<電050(3852)0234>。

 県、若者回帰へ映画制作 監督に蔦さん 23日から県内ロケ

 県が制作する短編映画のタイトルは「AWA TURN(仮)」。三好市出身の映画監督蔦哲一朗さんが監督を務め、「回帰」をテーマに、県外に出た主人公の女性が子どもの頃に描いた壁画の再生を通して地元の魅力を見つめ直す内容で、徳島への回帰について問い掛ける作品となる。

 撮影は阿南市那賀川町を中心に、23日から25日まで行われる。人形遣い勘緑さんや海陽町で藍染製品の販売などを手掛ける永原レキさんらが出演する。

 同映画は、県が首都圏や大阪などで開いている移住フェアでも上映する予定。県地方創生推進課は「若者に徳島に戻って来てもらうきっかけづくりに生かしたい」としている。

 短編映画の制作は、8月に首都圏から帰省する大学生を対象にフェリーの船上で徳島の魅力や未来を考える「とくしま回帰洋上セミナー」で出た意見を参考にした。