徳島ヴォルティスは27日、純利益が2億3440万円の黒字とする2016年1月期決算を発表した。J2降格でチケットや広告料収入などは大幅に減ったが、外国人選手の海外チームへの移籍に伴う収入で補った。黒字決算は8年連続で、額はJ1効果で過去最高益となった前期(14年2月~15年1月)に次いで2番目。
クラブによると、営業収入は17億4133万円で、経常利益は3億7174万円。純利益は前期比5・6%減だった。
収入では、前期は300万円だった選手の移籍金収入が1億8900万円と大幅に増えた。昨季J1広島に期限付きで移籍していたブラジル出身のFWドウグラス選手のアル・アインFC(アラブ首長国連邦)への完全移籍に伴う移籍金が大きく寄与した。
移籍金収入以外はJ2降格により、ほとんど減収となった。チケット収入は1試合平均入場者数が14年の8140人から15年は5019人に激減したため、50・4%減の5992万円だった。
広告料収入はスポンサー6社を新規で獲得したものの、10社が撤退したため減少。さらに、継続スポンサーとの契約金が減額となった上、看板やユニホーム広告収入も減り、全体では19・1%減の10億9808万円となった。
会員収入は個人が31・9%減の9117万円(5646人)、法人は10・8%減の6259万円(644口)。グッズなど物品販売収入も観客数減で大きく落ち込み、53・6%減の4729万円にとどまった。
支出のチーム人件費は勝利報酬の減額などで26・2%減の6億8400万円で、全体の営業費は19・3%減の13億7500万円だった。
決算は板野町文化の館で開かれた第12期定時株主総会で報告、承認された。岸田一宏社長は「J1に再昇格するため、営業収入の確保に取り組みながらチーム強化を図り、県民に愛されるチームづくりを進める」と話している。