徳島少年少女合唱団が結成55周年を迎え、25日に徳島市の徳島文理大むらさきホールで、歩みを振り返るオリジナルミュージカルを上演する。OBとOGが制作を手掛け、出演もする。

 徳島少年少女合唱団は、1963年に創立。「音楽による国際親善」を訴え、68年の韓国公演を皮切りに、ドイツやオーストリアなど数々の海外公演を成功させてきた。

記念公演に向け、練習する徳島少年少女合唱団とOB・OGら=徳島市のとくぎんトモニプラザ

 ミュージカルのタイトルは「合唱団物語~My Way 夢を紡いで」。戦時中に少年時代を過ごした上田収穂代表(88)の平和への思いや、海外を志した理由、合唱団が練習場所や公演会場を探す苦労などが盛り込まれる。

 ウィーンの作曲家から贈られたミサ曲「平和への祈り 徳島ミサ」のオーケストラ版などレパートリー約40曲をダンスも交えながら披露し、合唱団の歩みを紹介する。

 上田代表は「教え子が作ったミュージカルで演奏会ができるなんて夢のようだ。ヨーロッパ公演で培われた経験が歴代の団員に連綿と生きているのを実感する」と喜んでいる。

 脚本・演出・振り付けは、元宝塚歌劇団で「詩風翠(うたかぜすい)」の名で活躍した合唱団第32期卒団生のSUIさん。上田代表の自伝「タクト30年」や、阿波の歴史を小説にする会の仁木陽子さんの短編小説「平和への祈り 徳島ミサ」を参考に、合唱団のCDなどを聴いて曲を選んだ。

 合唱団時代にミュージカルで「シンデレラ」の王子役を射止めて、宝塚を志したSUIさんは「合唱団の歌は上田先生にしかつくれない澄んだ響きが魅力。先輩方の力を借りて、心を一つにして歌う合唱の歴史と魅力を伝えたい」と話す。

 第29期卒団生の松下倫士さんは、ピアノ演奏、上田代表役で出演する。東京芸術大、同大学院を経て、作曲家・ピアニストとして活躍しており「合唱団で、歌って楽しい曲に出合い、作曲家に憧れた。合唱団は心の支えで、今でも録音をよく聴いている」と振り返る。劇中で演奏される「My Way」などのオーケストラ編曲と演奏指導も担った。

 OB、OGがそろう機会は少ないが、団員は集中して練習に取り組んでいる。団長の佐藤優子さん(15)は「今までたくさんの苦労を乗り越えて合唱団が続いていることを初めて知った。憧れの先輩たちと舞台を成功させたい」と意気込んでいる。

 創立55周年記念 徳島少年少女合唱団定期演奏会

 日時:2018年11月25日14:00~

 場所:徳島文理大むらさきホール

 入場料:500円

 TEL:上田代表 088(674)1481