2025年の国際博覧会(万博)の開催地が、大阪に決まった。大阪では1970年以来、55年ぶり2度目、日本では2005年の愛知万博以来20年ぶりになる。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、健康、医療に関する技術貢献を目指す。世界を健康や長寿に導く意義深い万博にしてほしい。

 25年万博の開催地には、大阪と、ロシアのエカテリンブルク、アゼルバイジャンの首都バクーが立候補していた。 パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会で、加盟国による投票が行われ、1回目は日本が85票を獲得し、トップで通過。上位2カ国の決選投票で、92票を集めた日本が61票のロシアを下した。

 大阪府、大阪市、財界など官民一体となった国を挙げての誘致活動が実を結んだと言える。これまでの開催実績も評価されたようだ。

 大阪では、拡張現実(AR)や人工知能(AI)の技術を駆使した新たな万博の開催を目指している。

 大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)を会場に、25年5月3日~11月3日の185日間で、2800万人の来場を見込む。

 万博は国際博覧会条約に基づき、新しい文化や科学、産業技術の発展などを目的として、世界的な規模で開かれる博覧会である。20世紀までは各国が先端技術を誇示し、国力を競っていた。21世紀に入ると、環境をテーマにした愛知万博のように人類共通の課題への解決策を探る場に変わった。

 大阪での万博は健康や医療に関してどのような解決策を提示できるかが問われよう。

 6月のBIE総会でのプレゼンテーションで、京都大の山中伸弥教授は万博を「偉大な実験室」と位置づけ、最新技術を集めて再生医療の取り組みを促進すると強調した。新たな治療法が期待される。

 政府は、20年東京五輪・パラリンピックの後、大阪万博が経済成長の起爆剤になるとみている。試算によると、万博開催の経済効果は約2兆円に上る。

 東京一極集中の影響で経済などの地盤沈下が続く関西にとっても、万博開催は、地域の浮揚にはなくてはならないものだ。

 その万博を成功させるためにはソフト、ハードの両面で周到な準備が欠かせない。

 道路、交通網などのインフラ整備も必要になろう。1250億円の会場建設費は国、大阪府と大阪市、民間が3分の1ずつ負担する。懸念されるのは、国家的プロジェクトの開催費用が当初予定よりも膨らむ傾向にあることだ。

 1964年の東京五輪、70年の大阪万博から半世紀。「夢よもう一度」の願いが実現することに、地元・大阪は沸き返っている。

 だが、経済効果や関西地域の浮揚を意識するあまり、経費がかさむ事態は、避けなければならない。無駄を省いた筋肉質の万博にすることが望まれる。