明治時代の決然とした文章を、思想家福沢諭吉の創刊した日刊紙「時事新報」からお借りする。家族関係に残る封建制の悪風を嘆き、新報は書いた。<その醜態を満世界に評判せらるるは、国光上の一大汚点、日本国民として断じて忍ぶを得ず>
桜田義孝五輪相の常識外れの発言が続いている。相次ぐ失敗に懲りたか、こんなことを言い出した。「多くのスタッフの協力に基づく答弁書を、間違いのないように読むことが最大の仕事だ」
大臣の職務がこの程度とは、初耳である。国会での発言に正確さを期す、といった趣旨だそうで、「感情に任せて答えることはしない」と補足した。どうやら、そちらのコントロールも苦手らしい。本当に大丈夫か、東京五輪・パラリンピック
五輪を控えて焦眉の急、サイバー攻撃対策も担当する。でありながらパソコンは使わず、知識もないと公言し、全世界を仰天させた。当人は「有名になった」と悪びれるふうもない。国光、すなわち国の名誉も形無しだ
桜田五輪相といい、国税庁への口利き疑惑が浮上した片山さつき地方創生担当相といい、在庫一掃組が懸念された通りの醜態を見せている。いつまで放置するのか、安倍総理
新報は、続けてこうも書いている。<之(これ)を矯正する一日を遅くすれば則(すなわ)ち一日の恥を永うす可(べ)し>。決断を急ぐべし。