女性への暴力根絶を訴える紫色の光が全国各地で輝いた。25日まで内閣府が中心となって繰り広げられた「女性に対する暴力をなくす運動」のアクションの一つである。

 紫色は、女性への暴力根絶のシンボルカラーだ。ライトアップされたのは、阿南市役所本庁舎をはじめ全国150カ所に上り、「ひとりで悩まずにまずは相談を」というメッセージも込めた。

 暴力に苦しんでいる女性は世界中に大勢いる。中でも、性犯罪やセクハラなど性的な被害は、当事者の口から語られることが少なく、実情が伝わりにくい。

 一人一人が想像力を働かせ、人権を著しく侵害する暴力の根絶に道筋をつけていかなければならない。

 性被害告発の「#MeToo」運動によって性暴力根絶の関心は高まっている。

 今年は、「戦時下の性暴力」という光の当たらなかった分野に焦点が当てられた年でもあった。

 内戦や紛争下でレイプ被害を受けた女性の救済に力を尽くしてきたコンゴの産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏と、性暴力の被害者でもあるイラクの人権活動家ナディア・ムラド氏にノーベル平和賞が贈られた。

 内戦が続くコンゴ東部では、夫や子どもの目の前で女性を襲い、人々に恐怖心を植え付けることで地域を支配するやり方がまかり通っている。ムクウェゲ氏は「性暴力が『戦争の武器』になっている」と警鐘を鳴らした。受賞報道によって、コンゴの性暴力のむごさを知った人も多いだろう。

 日本でも、性犯罪、セクハラ、夫・パートナーからのドメスティックバイオレンス(DV)など女性への暴力は後を絶たない。大学生による集団暴行事件も明るみになっている。

 2017年の内閣府調査によると、これまで無理やり性交された経験を、女性の7・8%、男性の1・5%が持っていた。被害者のうち、どこ(誰)にも相談しなかったのは女性の過半数にも上っている状況だ。

 一人で抱え込みがちな被害者を支援しようと、治療や相談などの総合支援を一カ所で受けられる「ワンストップ支援センター」がようやく全都道府県に整備された。警察などに相談しづらい当事者の「駆け込み寺」として、心を寄せられる存在になるよう期待したい。

 徳島県内にも3カ所に「よりそいの樹(き)とくしま」が開設され、専門的知識を持った臨床心理士の育成とともに、若年層向けのパンフレット作成など機能充実を図っている。

 被害者支援はもちろん、性被害に遭ったことは恥ではないという意識を広めていくのも重要だ。

 さまざまな人が連帯して、女性に「沈黙」を強制する社会のありようを変えていかなければならない。