徳島、香川両大学などでつくる四国防災共同教育センター(高松市)が、四国に点在する地震津波碑や自然災害の痕跡などをインターネット上で確認できる「防災風土資源マップ」を作った。各地の災害被害や教訓を紹介し、地域の防災力向上に生かしてもらうのが目的。
水害、地震、津波、土砂災害、渇水に関する四国内221地点の災害痕跡などを無料の地図情報サービス「グーグルマップ」上に掲載。地点ごとに写真を添え、地域を襲った災害の内容や教訓などの説明文を付けた。現地への案内機能もある。センターのホームページから閲覧できる。
徳島県関係では▽国内最古とされる津波地震碑・康暦の碑(美波町)▽水害から家を守るため石垣を高く積み、避難用の吊り船を備えた国重要文化財の藍屋敷・田中家住宅(石井町)▽台座を高くして水没を防いだ「高地蔵」(徳島市)-など77地点を紹介。治水対策を巡り、地域間の紛争が起きた地点やその経緯なども掲載している。
香川大の松尾裕治客員教授(災害伝承)が1996年から4県の災害痕跡などを巡り、資料を集めるなどしていた。松尾客員教授は「先人の教訓を学び、自分が住む地域の災害リスクを知ってもらうきっかけになれば」と話している。