運営を巡って混乱した今夏の徳島市の阿波踊りを検証する有識者会議(豊永寛二委員長、6人)の第3回会議が30日、市役所で開かれた。長年の赤字体質から脱却するため、事業の民間委託に関する議論が前回10月の会議に続いて活発に交わされた。主催団体「阿波おどり実行委員会」への提言に向け、民間委託の在り方が最大の焦点となっている。
阿波踊りを巡っては市観光協会(破産手続き中)と徳島新聞社の共催体制の間に、4億円余りに及ぶ累積赤字が発生した。前回会議で将来的に事業を民間委託する方針を決めており、この日は委託方法に関する詳細なやりとりがあった。
事務局の市職員が全国の祭りの事例を調べた結果を報告。全面委託した例は確認できず、業務を部分的に委託したケースがあったなどと説明した。
委員からは「段階的に委託し最終的に全面委託しては」「実行委は監督する役割を担えばよいのではないか」などの意見が出た。豊永委員長は「制度論として、市長がやるのはふさわしくない。民間の祭りを民間が利益が出る方法でやった方がよいのでは」と話した。
また、阿波踊りの参加連から協力金を徴収する案については具体的な金額が示された。4日間のうち一日でも参加する企業連は10万円、有名連や一般連は5万円、学生連は1万円を徴収し、高校生以下の子どもでつくる連や障害者団体の連は無料としている。前回会合で決めた、有名連に長年支払ってきた出演料を中止することと合わせて提言する。
次回会議は12月21日。今年の決算の支出の詳細を示した資料が市から提出され、民間委託の時期などについて議論を深めるとみられる。