徳島県議会11月定例会が開会した。会期中に、飯泉嘉門知事が来春の知事選への5選出馬を表明する見通しだ。4期16年という長期にわたって県政運営を担う飯泉知事の手腕や政治姿勢を、議会がどう総括するのかが最大の焦点となる。

 行政に対するチェック機能を発揮し、有権者に判断材料を提供する。これが最も重要な議会の役割だ。論戦にしっかり耳を傾けたい。

 検証すべきテーマは事欠かない。

 地方創生成果実感予算―。2018年度、県は予算をそう位置付けて、1年間をスタートした。残りは4カ月となったが、県民は果たしてその実感を持てているだろうか。

 県予算をさかのぼると、17年度は「地方創生の本格展開を加速する予算」、16年度は「地方創生の本格展開に向けた予算」、15年度は「とくしま地方創生・元年予算」と位置付けられてきた。

 言葉を見る限り中身は進化しているように感じる。しかし、この間、徳島の地域力が向上している実感は乏しい。だからこそ、18年度は「実感予算」としたのだろうが、それでもなお、人口減少の抑制や産業の創出・育成など、重要な課題において十分な成果が見えてきたとは言い難い。

 議会は、こうした県による地方創生施策の成果の実像に迫り、これまでの多岐にわたる取り組みを事細かく検証する必要がある。

 東京一極集中の打破を目指す消費者庁の徳島移転や、中央構造線活断層帯による直下型地震に備えて建物建設を規制する区域を指定する全国初となる条例の制定などは、先駆的な取り組みの実績として挙げられる。

 一方で、次々と課題が浮上する災害への対応は十分か、財政運営に無駄はないのか、10年、30年後の県の姿を描けているかなど、知事と議論すべき課題は山積している。

 そして何より、5期目という多選を目指す知事の意向に議会はどう向き合うのか。

 長く続ければ権力は必ず腐敗する。多くの先人たちがそう警句を発してきた。飯泉県政はどうか。東京の音楽プロダクション元代表取締役の脱税事件を機に多くの疑念が明るみになったとくしま記念オーケストラ事業を巡る問題は、長期政権の弊害の一例と指摘できる。

 県の音楽事業に元代表取締役がなぜ深く関わるようになったのか、なぜ記念オケ事業費が膨らみ続けたのかなど、疑念の数々からは、県庁の中で自らの事業に対するチェック機能が働いていない現状が浮かんだ。記念オケは知事が推し進めた事業だ。人事、予算権など、大きな権限を握る知事の顔色をうかがい、組織が機能不全に陥っていたとするなら、由々しき事態だ。

 春には知事選だけでなく、県議選もある。審判を受けるまでの残る2回の定例会で知事、県議が何を語るのか。多くの視線が注がれている。