黒川征一市長

 徳島県三好市の黒川征一市長のコラム盗用問題を受け、市議会が11月30日に可決した問責決議で、徳島新聞朝刊1面のコラム「鳴潮」が全文引用されていた。議会の決議文に報道機関のコラムの大部分が引用されるのは異例。決議文の半分以上を占めており、一部の市議からは「報道機関の批判記事をそっくり借りる形で決議とするのはいががなものか」と疑問の声が上がっている。
 
 問責決議は中耕司氏が作成し、11月30日の市議会臨時会議に提出した。「盗用問題は新聞に掲載され、全国ニュースにも大きく取り上げられた」とし、盗用問題を批判した同月22日付の鳴潮の全文を掲載。「私を含め多くの市民の方がこのコラムと同じ思いである」とした。さらに、同日付の徳島新聞朝刊に掲載された飯泉嘉門知事のコメントも引用した。

 いずれも引用元は明示しているが、引用した文章は決議文全体の3分の2を占めていた。中氏は徳島新聞の取材に対し「引用についての認識が甘かった市長への皮肉を込めた」と説明している。

 盗用問題を巡っては、市長が問題の責任を取るためとして期末手当の3割減額を市議会臨時会議に提案したが、市議会は否決。12月定例会議開会日に出処進退を示すよう求める問責決議を可決した。決議の採決は10対10の可否同数となり、立川一広議長が可決を決めた。