徳島県内で唯一、選挙ポスター掲示場設置条例がなかった佐那河内村は、村長選と村議選の掲示場設置に関する条例案を、6日開会した村議会定例会に提出した。可決されれば来年4月の統一地方選で行われる村議選で初の掲示場が設けられる見通し。

 条例案は公選法の規定に基づき、村長選と村議選でポスターの掲示場を設けると規定。設置に関して必要な事項は村選管が定めるとしている。

 これまで国政選挙と県知事選は公選法、県議選は県条例に基づき村内に掲示場が設けられていた。村選管によると、村長選と村議選もこれに準じ、村内24カ所に掲示場を設ける予定。

 村議らによると、村に長年住んでいる有権者にとって、地域の代表である村議や候補者は顔なじみのため、選挙でポスターを作って掲示する必要性が低かった。ただ、村が移住促進を図っていることもあり、移住増に伴って今後は候補者を知らない人が増えることが想定される。

 4月に村議選、秋に村長選を控えていることから、村選管などが設置を検討していた。村選管は「来年以降の選挙を見据え、周辺自治体の設置状況も踏まえて判断した」としている。

 村議で最年少の石本哲也氏(49)は「高齢者と若者との間にも認知度に差がある。掲示場ができれば選挙がフェアになるかもしれない」と話した。

 総務省によると、全国927町村のうち、設置条例を設けていないのは首長で24町村、議員で23町村(いずれも2017年12月31日時点、佐那河内村を含む)あるという。