世界の多くの地域で温暖化による深刻な被害が出ている。手遅れになる前に、各国は温室効果ガスの削減を加速する必要がある。

 2020年に始まる地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の具体的な実施ルールを決める国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)が、ポーランドで開かれている。

 3年前に採択されたパリ協定は、平均気温上昇を2度未満に抑えることで合意したものの詳細は決まっていない。

 排出削減目標の立て方など主な論点で先進国と途上国の意見の隔たりは大きいが、双方が歩み寄り、実効性のあるルールを作ってもらいたい。

 会議は190を超える国・地域の首脳や閣僚が参加し、14日まで協議する。

 パリ協定は、1997年のCOP3で採択された京都議定書に代わる枠組みで、2016年11月に発効した。

 京都議定書には、中国やインドを含む途上国に削減義務がなく、これを嫌った米国が離脱するなど「骨抜き状態」になっていた。このため、パリ協定では、米中をはじめ全ての国に削減目標の提出を求めることになった。

 ただ、具体的な内容に踏み込んでおらず、国によって削減目標がばらばらだったり、目標の達成状況が検証できない報告書が出てきたりする可能性もある。

 会議では、目標に盛り込むべき項目や取り組み状況の報告の仕方など、詳細な事項を確定させなければならない。合意できなければ、パリ協定の20年からの適用に間に合わなくなるからだ。協定履行への各国の決意が問われており、まさに正念場である。

 問題は、先進国と途上国の溝をどう埋めるかだ。先進国は、排出量を伸ばしている途上国も含め各国共通の厳しいルールを作るべきだと主張。途上国側は、過去に大量に排出した先進国とルールに差を付けることや、詳細な目標を作るための資金援助などを要求している。

 どれだけ折り合うかによって、実施できる項目も変わってくる。項目数が少なければ再び「骨抜き」になりかねない。協調して対応することが重要だ。

 国際研究チームによると、世界の二酸化炭素排出量は17、18年と増加する見通しだ。排出量を減らす技術の導入よりも、石油や天然ガスなど化石燃料の消費拡大の勢いが上回っているためという。

 最大の排出国の中国は、経済成長に伴い、18年に過去最高の排出量になると分析。トランプ大統領がパリ協定離脱を表明した米国も、同年に2・5%増加すると予測する。

 加えて、今の各国の対策では将来の気温上昇が3度に達するとの指摘もあり、目標の引き上げも急がれる。

 各国の足並みが乱れていては、温暖化を抑えることはできない。強い危機感を共有するとともに、早急に対策をまとめ、行動に移すべきだ。