徳島県阿波市のショッピングプラザ・アワーズ内にある洋菓子製造販売店「CAKE EXPRESS(ケーキエクスプレス)」が、希望の写真をケーキに印刷した「プリントケーキ」をインターネットで全国販売し、売り上げを伸ばしている。2016年4月から販売を始め、最近では1日25~30個を出荷。通販サイト「楽天市場」の週間ランキングで1位も獲得した。
食用インクと食品用プリンターを使い、メールなどで送ってもらった写真データをでんぷん質のシートに転写し、ホールケーキに飾り付ける。地域の人口減少が進む中、顧客獲得のため、15年に当時少なかったケーキへの写真印刷サービスをネット展開することを発案。プリントの方法や冷凍発送に適した生クリームの配合、包装など試行錯誤を重ねた。
当初はプリントケーキ以外のケーキも含めて1日3~5個の販売だったが、現在は取り扱いサイトも1社から6社に増え、年間1万5千個を販売。その約7割をプリントケーキが占め、関東には月500個以上を発送している。
競合する店舗も増えたが、注文の当日に発送する対応の早さに加え、約1年前に発案した写真共有アプリ「インスタグラム」風の独自デザインが人気を集めている。以降、楽天市場の「写真・イラストケーキ部門」の週間ランキングで何度も1位を獲得し、他のサイトでも上位を保っているという。
プリントケーキの好調に伴い、店舗営業のみだった16年から売り上げは約3・5倍に増加。店のスペースを約2倍に広げ、昨年10月に大型冷凍庫を1台導入した。今月中にもう1台増やす予定だ。
加村智哉経営責任者は「田舎の店は、いかに付加価値を付けて地元以外から集客していくかが重要。全国の誰もが知っているようなプリントケーキ日本一の店にしたい」と話した。