徳島県教委が教職員の「働き方改革プラン」をまとめた。長時間労働の是正は待ったなしの状況である。教員がしっかりと授業に専念できるよう、職場環境の改善を急がなければならない。

 中学校教員の月平均残業時間は、県教委の2017年度調査で「過労死ライン」の80時間を上回る83時間、小学校は56時間だった。自宅に持ち帰る仕事を含めば、さらに膨らむとみられる。

 プランでは20年度までに、残業時間を17年度比で25%減らすとした。しかし、これでは実現しても中学校は62時間だ。中教審の特別部会がこのほど示した答申素案は「原則45時間以内」としており、一層の削減が求められる。

 県教委、市町村教委、学校が主体となって取り組む施策には5分野の計50項目が列挙された。5分野は「勤務時間管理と意識改革」などで、50項目には考え得る施策を全て並べたと言っていい。

 メニューは豊富だが、肝心なのは、これらの施策によっていかに実効性を上げるかだ。それぞれの現場で知恵を絞り、優先順位を決めて実行に移す必要がある。

 多忙化の要因は多岐にわたる。いじめや不登校、登下校時の見守りに加え、貧困などの問題を抱える家庭への対応もある。国や自治体からの調査・照会ものしかかる。

 学習指導要領の改定で道徳の教科化が進められ、小学校では英語に続いて20年度からプログラミング教育も必修となる。授業への対応や準備、研修の負担は大きい。

 強い危機感の表れだろう。文部科学省は昨年末、教員の働き方改革の緊急対策を公表し、業務の適正化を促した。県内の若手教員が意見交換の場を設け、県教委は報告書を受けてプランを練った。

 県内では既に、情報通信技術(ICT)を活用した統合型校務支援システムの全市町村への導入が決まっている。児童生徒の成績や学習記録などの情報を一元管理でき、うまく活用すれば効率化への一歩となりそうだ。

 そうした一方、教員には残業代がなく、基本給の4%が「教職調整額」として上乗せされる制度が半世紀前から残る。学校運営を教員の使命感や熱意に頼り続けてきたことが、勤務時間管理をおろそかにさせた根源だとして、問題視する声は根強い。

 中教審の答申素案はこの問題で抜本的な見直しに踏み込まなかったが、教員の意識改革を訴えるだけでは限界がある。国も給与制度の見直しや教員増など実態に沿った対策を検討するべきだ。

 多忙な労働環境から、教員を志す学生は減少傾向という。教員が疲弊して教育力が低下すれば、真っ先に子どもたちがしわ寄せを受ける。

 教育は地域の未来を大きく左右する。子どもが主役であることを忘れることなく、保護者や地域社会の理解を得ながら、緒に就いた改革を軌道に乗せてもらいたい。